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徳島地方裁判所 昭和49年(わ)23号 判決 1974年4月26日

所在地

徳島県板野郡松茂町中喜来字稲本二一六番地の一

有限会社イツキ釣具販売

右代表者代表取締役

伊月曻

本籍

徳島県板野郡松茂町中喜来字稲本二一六番地の一

住居

右同所

会社役員

伊月曻

昭和一一年一〇月三日生

右有限会社イツキ釣具販売及び伊月曻に対する各法人税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官高橋寛出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人有限会社イツキ釣具販売を罰金二五〇万円に、被告人伊月曻を徴役四月に

それぞれ処する。

被告人伊月曻に対しこの裁判確定の日から二年間その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となる事実)

被告人有限会社イツキ釣具販売は、徳島県板野郡松茂町中喜来字稲本二一六番の一に本店を置き、釣道具の製造、販売等の事業を営むもの、被告人伊月曻は、同会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人伊月は同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、

第一、昭和四四年一二月一日から昭和四五年一一月三〇日までの事業年度において、同会社の実際金額が八、四一四、八〇三円で、これに対する法人税額が二、七五三、六〇〇円であるにもかかわらず、公表経理上期末たな卸商品の一部を除外する行為により所得を秘匿したうえ、昭和四六年一月二九日、鳴門市撫養町南浜字東浜三九番地の三所在鳴門税務署において同税務署長に対し、所得金額が二、六四五、九八二円でこれに対する法人税額が六八六、三〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって不正の行為により、同会社の右事業年度の法人税二、〇六七、三〇〇円を免れ、

第二、昭和四五年一二月一日から昭和四六年一一月三〇日までの事業年度において、同会社の実際の所得金額が九、二三三、六三五円で、これに対する法人税額が二、九一四、四〇〇円であるにもかかわらず、前同様の行為により所得を秘匿したうえ、昭和四七年一月三一日、前記鳴門税務署において、同税務署長に対し、所得金額が三、八一九、〇二五円でこれに対する法人税額が九六八、五〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって不正の行為により、同会社の右事業年度の法人税一、九四五、九〇〇円を免れ、

第三、昭和四六年一二月一日から昭和四七年一一月三〇日までの事業年度において、同会社の実際の所得金額が一二、三二七、七五五円で、これに対する法人税額が三、八九七、七〇〇円であるにもかかわらず、前同様の行為により所得を秘匿したうえ、昭和四八年一月三〇日、前記鳴門税務署において、同税務署長に対し、所得金額が五、一四六、一四六円でこれに対する法人税額が一、三〇七、〇〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって不正の行為により、同会社の右事業年度の法人税二、五九〇、七〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

第一回公判調書中の証拠関係カードに記載された請求番号欄の番号2乃至51、53乃至63と同一であるから、これを引用する。

(法律の適用)

判示各所為は、被告人有限会社イツキ釣具販売についてはいずれも法人税法一六四条一項、一五九条一項、七四条一項二号に、被告人伊月曻についてはいずれも同法一五九条一項、七四条一項二号に該当するので、被告人伊月曻の判示各罪につきいずれも所定刑中懲役刑を選択し、被告人伊月釣具販売の以上の罪は刑法四五条前段の併合罪なので、同法四八条二項により各罪所定の罰金の合算額の範囲内で同被告人を罰金二五〇万円に処し、被告人伊月曻の以上の罪は同法四五条前段の併合罪なので、同法四七条本文、一〇条により犯情の最も重い判示第三の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で同被告人を懲役四月に処し、同被告人に対し情状により同法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から二年間その刑の執行を猶予することとする。

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 青野平)

証拠関係カード

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